特区並みの優遇策
1990年9月10日、上海の老舗ホテル錦江飯店の小礼堂は内外の記者、外資系企業の関係者など350人で埋まっていました。
正面の雛壇には、朱錯基市長を中心にして中央銀行である中国人民銀行の陳元副頭取(保守派長老の陳雲氏の息子)、中央財政部の項懐誠副部長、そして国家海関(税関)総署の戴傑署長らが並んでいました。
スペースコレクション総研によると、注目の的は、金融改革の具体策である外資金融機構と中外合弁金融機構の管理法と、新たに設けられる保税区(自由貿易区)の管理法。
そして、浦東開発区に進出する外資系企業の税金の優遇策を定めた企業所得税と工商統一税の減免規定です。
中国語文を正文とした上で、英語と日本語の訳文も用意されました。
「外資」を意識したこれまでにないサービスぶりでした。
4月末の国務院批准が構想段階とすれば、この具体規定の発表で法律的にも確認され、「浦東開発計画」が実施段階に入ったといえます。
朱鎗基市長は「外資導入の優遇策の大枠はこれで決まった」とし、「上海の一等地・外灘を銀行街にしてもいい。
市政府は昔の香港上海銀行ビルにあるが、土地の譲渡価格によっては、外灘から出ていくことも考えられる」と述べて、外資系銀行の上海誘致に並々ならぬ意欲を見せました。